タイムマシンや異次元空間、宇宙の運命が変わるなど、これまではサイエンスフィクション(SF)の中でしかなかったような奇妙なことが現実に起きている可能性があると、村山斉・東大数物連携宇宙研究機構長は説明する。 アインシュタインの相対性理論では、ものが速く動くほど時間の進み方は遅くなり、光速では進み方はゼロになる。さらに光速を超えると、時間の進み方は逆になり、時間を遡ってしまう。このような現象はあり得ないとして、アインシュタインは「光速を超えるものはない」とした。しかし、それが破られたことになる。ニュートリノから見ると、到着したイタリアの時刻は、自分が飛び出したスイスの時刻より前になる。 相対性理論と矛盾しないように「超光速」を説明する考えもある。「異次元」の存在だ。私たちの宇宙は、前後、左右、上下の3次元に時間を加えた4次元の世界だ。もし、5次元や6次元といった、別の次元があり、そこを近道して