長期投資家の澤上篤人氏と、「四季報読破」の達人・渡部清二氏。プロの投資家として活躍する両者が対談形式で、日本企業と金融市場のパワーバランスについて解説します。 渡部 石井食品の株主総会がすごく面白かったんですよ。石井食品は長年赤字なんですよ。株価もずっと200円前後で上がらないんですよ。 ただ、株主総会に行ってみると、この会社はすごいなと感じました。株主総会は、船橋の市民ホールみたいなところで行われていまして、出席者が200人以上で、会場が縁日みたいになっているんです。つまり、自社の商品をズラリと並べて、売っていて、それを株主が買っているんです。 赤字なんですが、株主はそれに対して不満は少しも言わない。それよりも、自分の好きな商品が棚から消えているから、もう少し営業のほうに人を回して欲しいとか、そういう要望が質疑応答の際にされるんですよ。 これはどういうことかというと、「株主=石井食品の消