地上154メートルの50階。日差しが照りつける中、作業員が超高層マンションの外壁の塗装をしていた。17年前の建設当時、日本最高層のマンションだった埼玉県川口市の「エルザタワー55」(55階建て、高さ185メートル、総戸数650戸)で初めての大規模修繕工事が進んでいる。 首都圏にある20階以上の超高層マンションは、不動産経済研究所によると昨年までに782棟。その8割以上が2000年以後に相次いで建てられた。築12~15年で修繕の時期を迎えるため、タワーマンションの大改修時代に突入している。 高層部分では通常の足場は組めないため、施工するシミズ・ビルライフケアでは、移動昇降式の足場「リフトクライマー」を設置し、2年間で外壁の洗浄や防水工事などを終える。地上に移動するまで約30分かかるため、今の季節は熱中症の応急対策グッズが欠かせないという。工事費は約12億円。1戸あたり平均180万円と費用も工