【NYTIMES/etc】数年前のある日、米ニューヨーク、コロンビア大学の精神医マイケル・ファースト氏のもとに、片足の男が自分で車を運転してやってきた。当初ファースト医師は、男の行動を大したものだと感心したという。"自らのハンディを克服して、片足で自立的に生活しているのだろう"、そう考えたのである。しかしそんな博士の思惑は直後に翻されることになる。男は、その足を事故などで失ったのではなく、自ら望んで切り落としたと医師に告白したのである。そして男は続けた。"もう片方の足も全く健康で問題はないんですが、どうしても切り落としたくて・・・"。 その後、ファースト医師はこの男性の心理状況について調べはじめ、やがてある障害に行き当たった。それは現在、身体完全同一性障害 - B.I.I.D(Body Integrity Identity Disorder)と呼ばれる、健康な人間が四肢切断を望むという全く