人類が共有する知的財産を築く 前回はGUI(Graphical User Interfaces)の源流となった研究開発を例に、独創性(オリジナリティー)について書いた(参考記事)。今回は、一研究者として独創性を追求することの難しさと、ジレンマについて述べたい。 言うまでもなく、研究に最も大切なのはオリジナリティーである。研究者は新しい知的価値を創造し、それを世界に還元する責務がある。すでに知られている知見を単に翻訳・編集するだけでは研究と言えない。 また、新しいアイデアだと思ってそれを形にしても、もし世界の誰かが同じアイデアを自分より先に思いついて発表している事実があれば、研究としての価値はゼロになってしまう。従って新しいアイデアを記録として確実に残し、世界の誰もがそれを参照できるようにすること、つまり人類共有の知の財産を築き上げることが、研究者にとって非常に重要なのだ。 我々研究者が、ト
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