8月11 尿酸は「天才物質」なのか? カテゴリ:有機化学 天才の存在というものは、この世界の大きな謎です。学問、芸術、音楽、スポーツなど、ずば抜けた能力を持つ彼らの頭脳の中にはいったい何があり、どんなことが起こっているのか。その秘密に少しでも迫ることができるなら、我々凡人も少しでも彼らに近づくことができるかもしれない――。天才を生み出すメカニズムが人々の興味を引くのも、まず当然のことといえるでしょう。 さて以前「プリン体の話」という項目で、痛風という病気のことを書いたことがあります。食べ物に含まれるプリン体が体内で代謝されてできる「尿酸」という物質が関節にたまることによって起こる病気であり、ぜいたくな食生活の産物と考えられている――と。そして痛風に苦しめられた歴史上の人物として、アレクサンダー大王、神聖ローマ皇帝カール5世、フランス王ルイ14世、ミケランジェロ、ダ・ヴィンチ、ゲーテ、ニュー