日本料理の味の基本をなす「うま味」が、いま世界のトップシェフをとりこにしている。「へえ~」といいたくなる。酸味、甘味、苦味、塩味 とは違う、日本人ですら説明はむずかしい味だ。それが第5の味として認知されているのだそうだ。 昨年秋、ロンドンに京都の料理人が一風変わったレストランを開いた。これまでにない味が話題だ。刺身の盛り合わせはオードブルの雰囲気。鯛の昆布締めは昆布の代わりにドライトマト、巻き寿司は海苔の代わりに西洋赤かぶのベジタブルペーパーといった具合だ。ニューヨークの料理大学では、京都の日本料理店主を講師に、「UMAMI」講座が続く。 京都料亭の「うま味勉強会」に詰めかけるベストレストラン料理人 転機は2002年に舌の表面にグルタミン酸を感知する受容体が見つかったことだった。欧米ではそれまで他の味を引き立てる風味のようなものと考えられていたものが、独立した味であることが明らかとなったの