2011年3月期に5340億円の純利益を稼ぎ出し、上場企業トップの座に就いたホンダ。だが決算をよく見ると、ある一つの問題が経営に 暗い影を落としていたことが分かる。シラスなど水産物の不正取引で150億円に上る損失を計上していたのだ。自動車やバイクが本業のはずのホンダに何が あったのか。 今年1月24日。ホンダから報道機関各社に1通のファクスが送られた。タイトルは「水産課における不適切な取引の判明」。ホンダの水産課――。一瞬目を疑うようなタイトルの資料に書かれていたのは、不正取引で多額の損失を被ったという内容だった。