「積極性がない」「マニュアル的な患者対応をしている」「興味のないことには全く関心を示さない」「コミュニケーション・スキルのバラつきが大きくなっている」。昨今の医学生・研修医に対するイメージについて上記の中堅臨床医の声を聞いた臨床倫理学を専門とする服部健司氏(群馬大学大学院教授)は,「これまでは医学の専門知・技術を教育する場として存在した医学部だったが,これからは人間や社会についての理解を深め,経験知を増やすための場が医学部には求められる」と卒前教育の変化の必要性を説く。本紙では,こうした背景を基に群馬大学で立ち上げられた授業,「医系の人間学」の模様を取材した。 第1場 医師 内山さん,お加減いかがですか。 患者(内山) はあ,先生。……あんまり変わりがないです。入院してよくなったかっていうと,そういうこともなくて。 医師 うーん,そうですか……。 患者 手や足に力が入らないし,ジンジンして
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