地方の医師不足、産科医・小児科医の不足が叫ばれるようになって久しい。最近ではいろいろなメディアで現状を危惧する意見が聞かれたり、医師不足の現状がテレビで放映されたりしているので、医療関係者以外にも広く知られるようになってきている。 では、どうして地方での医師の不足がおきるのであろうか? 日本の医師は、教授を頂点にしたピラミッド型の上下関係が形成されており、教授の言うことには事実上逆らえない。これは学校で勉強している医学生の段階からわかることであり、医学生なら誰しも「できるだけピラミッドの上に登りたい」と考えるのが普通である。そのように考える学生に、わざわざ地方の医師になれとは誰も言えないのではないだろうか。 医師が足りていない地域社会の医療レベルを上げることはもちろん重要であるが、医師本人の人生に対する議論は十分になされているであろうか。たとえば、医師が地方に赴任したとす