菅直人首相がようやく辞任を表明したが、憲法21条が保障する「表現の自由」や「国民の知る権利」を侵害する言論統制の動きは止まらない。民主党は次期政権となっても人権侵害救済法案に続き、秘密保全法制(リーク防止法制)の成立を狙い、着々と準備を進める公算が大きいからだ。ぶらさがりを一方的に拒否した首相の報道対応を次期首相が継承するならば、その独善的な姿勢も引き継いだとみて間違いない。(内藤慎二) 法務省は今月2日、人権侵害の被害者救済を図る新たな人権救済機関設置の基本方針を発表した。これを基に法案作りを本格化させるが、人権侵害の定義もあいまいなまま強力な権限が人権救済機関に付与されており、運用次第で言論弾圧は可能となる内容だ。 基本方針には「制度発足後5年の実績を踏まえて必要な見直しをする」とも明記されており、政権の意向でさらに権限強化が図られる恐れもある。 また、沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突