受精から5日後の胚で、嚢胞性線維症の遺伝子検査を行っている顕微鏡写真。研究者らは、遺伝性の病気を治療するため、遺伝子編集など様々な技術を用いている。しかし、最新の研究が示すように、ヒトゲノムに次世代にまで遺伝する編集を加えることは、予想もしないリスクを生む恐れがある。(PHOTOGRAPH BY DAVID LIITTSHWAGER, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 2018年11月、中国の研究者、賀建奎(フー・ジェンクイ)氏が世界で初めて、CRISPR-Cas9(クリスパー・キャスナイン)と呼ばれるゲノム編集技術を使ってDNAを編集した双子女児の誕生を発表し、世界に衝撃が走った。賀氏は、エイズウイルス(HIV)の感染リスクを下げるためだったとしているが、発表されたとたん、人間に対して遺伝子操作技術を使うことへの倫理的・医学的論争に火が付いた。(参考記事:「生命を自在に