出世はそもそも「社内で偉くなる」という意味ではない。人気番組をいくつも手掛けた元TBSの腕利きプロデューサーで、『出世のススメ』(日本実業出版社)を書いた角田陽一郎氏は「令和の時代にふさわしい出世を考えてみたかった」という。もっと主体的でしなやかな働き方を提案する角田流の出世考を聞いた。 当たり前の言葉になってはいるものの、もとをただせば出世は仏教に由来する言葉だ。本来は「出世間」と書く。ここでいう世間とは、煩悩に満ちた俗世間を指す。そこから出る(=超越する)のが出世であり、悟りを得ることを意味する。さらに、仏教の世界に入ることも出世と呼ぶ。つまり「勤め先でポジションを上げるという意味はなかった」(角田氏)。 では、なぜ今のような「高い地位や役職に就く」という意味が生まれたのか。はっきりしたいわれは不明だが、公家の子弟が出家した後、仏教界で割と早く昇進したケースが多かったことが俗用の背景に
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