10年ほど前に『フィンチの嘴』という本を読んだ。 ガラパゴス島に生息するダーウィンフィンチという鳥を20年に渡って研究し続けたグラント夫妻の話を中心に、今現在起きている「進化」を語る、科学ノンフィクション。 鳥の嘴をひたすら計測し続けるお二人の息の長い研究に脱帽。 子どものころに、テレビ『野生の王国』が好きで 『ファーブル昆虫記』をむさぼり読んだような人には、面白く読める本だと思います。 つまり、わしには面白かったわけだが この本を読んで、心に残ったエピソードがある。 グラント夫妻はガラパゴス諸島のある島で、雌しべの先が折られたサボテンの花を多数発見する。 そこで観察を続けたところ、10数羽のサボテンフィンチが他の鳥よりも早く密を吸うために、早朝、開花前の花をこじ開け、その時、邪魔になる雌しべの先を折っていることを発見した(夫妻はフィンチを個体識別しているため、“10数羽”という数字を出せ