単に言葉の印象だけだが、「円高」は「高い」から「いい」とか、「円安」は「安い」から「悪い」とか、そんな素人だましに等しい印象論のメディアの記事が多い。それと同じで貿易赤字が、まるで家庭の「赤字」のように「悪」扱いである。そもそも家庭レベルだって赤字が単純に「悪」のわけもない。 貿易赤字が1兆円近くだそうだが、これ自体はまったく問題ない。まるで赤字=悪みたいにとりあげられている。中身をみれば円安効果の成果だと思うが輸出が三か月連続で増加(10%増)、他方で消費が堅調で輸入も増加(10%増)。 輸出が増加基調に転ずると純輸出は減少する。これが経験則。 つまり円安が輸出に効果を与え、また円安や資産効果などによる消費増が輸入を増加させている、そのダイレクトな現象としてこの貿易赤字の継続はみられる。この貿易赤字を「悪」ととらえたら、そう考える人は、日本の経済制度と単純な経済学に無知なだけだ。むしろこ