12世紀、西欧では何度も十字軍を発出しているが聖地イスラエルの奪還が中々うまくいかない。それがあってか、東方にキリスト教国を建てた王がいてイスラム勢力を攻め立ててくれている、との噂が流布した。この王がプレスター・ジョンである(無論、伝説の類である)。因みにプレスターは聖職者を意味する。こうしてローマ教皇庁を始めとして西欧によるプレスター・ジョン探しがはじまる。教皇庁は交信を期待し書簡を持たせて使者を東方に派遣する。 当初、ジンギスカンもこれに比定された。やがて15世紀になるとアフリカの内陸に本当のプレスター・ジョンの国があると信じられるようになる。エチオピアがその国に比定される。その探索が大航海時代の幕開けの端緒にもなった。 如何にもイスラム勢力が腹立たしい。プレスター・ジョンよ出でよ、である。古くより中央アジアや北アフリカのいずれにもキリスト教ネストリウス派教徒がいた事は事実である。 そ