ここまで4勝1敗と、J1の序盤戦は柏の好調さが目立つ。完ぺきな内容で勝利を収めた第10節の浦和戦では、その好調が単なる“フロック”や“勢い”によるものではなく、チームとしての成熟度の高さという確かな裏付けを持つが故のものであることを、大いに知らしめたのではないだろうか。 「われわれは2年近く一緒に仕事をしてきた。やってきたサッカーを疑わず、選手もわたしの考えを理解している」 浦和戦後、記者から現在の好調さを問われたネルシーニョ監督は、自信に満ちた表情でそう答えた。 特に、この百戦錬磨の智将が根底からチームを作り変えた2010年は、柏にとって実り多き1年であった。「オーガナイズされた守備」と「クリエーティブな攻撃」を標榜(ひょうぼう)し、ブレのない確固たるチームスタイルを確立させた。 また、ポルトガル語で「勝利」を意味する“VITORIA”という言葉をチームスローガンに掲げ、「すべて