『雪華圖説』(1832)に以下の記述がある。『北越雪譜』でも引用されている部分を含む箇所だ。(文字は新字体に変更) (雨は)気中ニ存スルヲ以テ、一々皆円ナリ。初円ハ至微至細。漸ヲ以テ併合シ、終ニ重体点滴ノ質ヲ致ス。(略)大円ヲ成サント欲シ、六ヲ以テ一ヲ囲ミ、綏々翩々、頓ニ天地ノ観ヲ異ニス。凡ソ物、方体ハ必八ヲ以テ一ヲ囲ミ、円体ハ六ヲ以テ一ヲ囲ムコト、定理中ノ定数誣ベカラス。雪花ノ六出ナルユヘンモ亦コレノミ。 (「ものずき烏」というサイトで全文閲覧可能) 正方形を敷き詰めると、周囲にそれが八個必要になる。いっぽう、円は、家紋の七曜のように六個の円が外接する。ということで、球体である雨滴が結合するときに、その幾何学的構造により六角形になる、と言っているわけである。球ではなく、平面図形の話になってしまっているのに「六出なる所以もまたこれのみ」と断言することなど、頭から物理・化学を追い出してもなお