表現の規制をめぐり、暗い話題が続くエロマンガ業界。その陰鬱とした空気を吹き飛ばすがごとく、熱気あふれる展覧会が銀座・ヴァニラ画廊で開催されている。 「昭和エロ劇画クロニカル『1970年代を疾走した愛と夢』」と題されたこの展覧会は、70年代に巻き起こった、いわゆる”三流エロ劇画ブーム”をけん引した劇画家たちの生原稿が壁一面に並べられている。 そもそも”三流エロ劇画ブーム”とは、70年代中期に勃興した一大ムーブメントだ。このブームの勢いはすさまじく、一時には月に50~60誌余りが発行、そこに増刊・別冊などの枠を加えると実に100誌余りが毎月発行されていたのだ。ネガティブに言えば、粗製乱造だ。しかし、そこには「エロがあれば、あとはなんでもアリ」という自由があった。どんな前衛的な作品だろうが、難解なストーリーだろうが、エロがあれば自由なのである。そこに、血気盛んな若い編集者や劇画家たちが飛び付かな
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