「九州・熊本の本を売りたい」。そんなコピーを掲げ、熊本地震にみまわれた現地在住の作家の本や、地元出版社の雑誌などを集めたフェアが、大阪市の書店で開かれている。「本をきっかけに現地を訪れる人が増え、少しでも復興の助けになれば」という書店員の思いから始まり、各地の書店に広がりつつある。 大阪市北区の紀伊国屋書店グランフロント大阪店の真ん中に4月下旬、熊本県のキャラクター「くまモン」のイラストをあしらった特設コーナーができた。熊本在住の作家石牟礼道子さんの小説、評論家渡辺京二さんの歴史書など、熊本に関連する本や雑誌100種類以上が並ぶ。 担当したのは同店の山本菜緒子さん(31)。「書店が被災地にできることは限られますが、興味を持つきっかけは作れるのでは、と考えました」と話す。 熊本をはじめ九州の版元の本をそろえようと、福岡市の出版社「忘羊社」代表の藤村興晴さん(41)に連絡。藤村さんは「うちの本