北海道大学の伊藤崇先生より『卒論・修論をはじめるための心理学理論ガイドブック』(ナカニシヤ出版)をご恵送いただいた。 ▼ 心理学や社会学的な論文を書いたり、執筆の相談にのっていると、どうしても理論にフリマワサレル場面がでてきてしまう。例えば、収集してきたデータをお気に入りの理論にただ当てはめてしまったり。もしくは、なんだかんだデータを紹介したあげくに、「◯◯という現象は誰某(199X年)が述べるように、社会文化的に生成、維持されているのだー。」と述べて終えてしまったり。教条主義的だし、なんのためにデータをとってきたのか分からない。 ▼ どうしてこのようなことが生じるのか。それは理論の物語る甘ーい上澄みだけを吸収して分かったつもりになっているから。それまでとは異なる世界の見えを提供してくれる理論はことさら魅力的で、その言い回しを真似てみたくなる。 経験を積んだ研究者はそんなことないだろうが、