こんにゃく芋はミャンマー、マレーシア、タイなどの東南アジアが原産国と言われています。 日本への渡来説はまちまちですが、数千年前の縄文時代に根栽農耕文化の北方伝播とともに伝えられたと考えられています。 食用としては、中国で唐代(AD700年頃)こんにゃく芋を灰汁で煮て食べた記録があり、さらに四川省、湖北省等で栽培されていた記録がありますので、食用こんにゃくは恐らく豆腐と同様に仏教によって肉食を禁じられた代わりに副食物として揚子江流域に発展し、その後日本へ仏教の伝来とともに輸入されたと思われます。 こんにゃくは、初めは医薬品ないしは間食用として貴族や僧侶の間で珍重されていましたが、それが一般に知られ常食化されはじめたのは、仏教が民衆の信仰として深く生活に根を下ろした鎌倉時代以降と思われます。 この時代にはこんにゃく商人の組織である「こんにゃく座」が設けられていました。