2月に起こった、ロシアによるウクライナ侵攻。これ以降、日本国内でも「憲法9条を変えて軍事力を増強すべき」「非核三原則も見直すべきだ」といった声が強まっています。核使用も懸念されるこの大きな危機を前に、私たちが改めて考えるべきこと、向き合うべきこととは? 「伊藤塾」塾長、そして「憲法の伝道師」として、憲法の理念を伝え続けてきた伊藤真さんにお話をうかがいました。 ロシアのウクライナ侵攻から見えること ──2月に起こったロシアによるウクライナ侵攻は、世界に大きな衝撃を与えました。ドイツをはじめヨーロッパ諸国が軍事費の増強に動くなど、世界の安全保障のあり方にも変化が起こりつつありますが、今回の事態をどう感じられていますか。 伊藤 ウクライナの状況については、限られた報道やSNSからの情報で知るしかありませんが、映画や小説の話ではなく生身の人間の命や生活が破壊されていく、そのことの恐ろしさを改めて感