オキシタケヒコさん 今年1月、約1年半ぶりに6巻が出たシリーズが始まったのは、2014年冬。通常約4カ月ごとに新刊を出すライトノベル業界にあって、このペースは珍しい。次第に厚みを増すことになる物語は、こうして幕を開ける。 東洋では鬼、西洋では悪魔と呼ばれた存在の正体は、異次元からやってくる「殺戮因果連鎖憑依体(さつりくいんがれんさひょういたい)」だった。それは人間に乗り移り、宿主を殺人へと駆り立てる。やっかいなことに、凶行を止めるべく宿主を殺害しても、殺した人間へとすぐさま乗り移ってしまう。しかも、絶え間なく増え続ける鬼により、人類は未来で絶滅する運命にある。 絶望的な物語で主役となるのは、空間を囲んで時間を止める能力「停時フィールド」と、入り口と出口の2点をつなぐ「ワームホール」を使って鬼退治をする組織のメンバーたち。それらをいかにして組み合わせ、危機を乗り越えていくかが主眼となる。 ネ