3.11 、記憶によると、その日は肉まんを食べていたように思う。 住んでる地域が地震と関係ない場所だったから、安心していた。 TVのニュースとかで津波の様子が流れているのを横目に、「ああ、何気ない日常はこうも簡単に崩れてしまうものなのだなあ」などと思っていた。 コンビニで肉まんを買った。 せめて、 せめて今苦しんでいる人、そしてこれから苦しむ人々が、決して味わえない幸福を、自分が代わりに味わっておこう。 彼らにしても、苦しんでいる自分たちに同調して、他の誰かも旨を痛めているとか、憐れんでいるとかは、耐えられないだろうと思った。 ネット上やメディアには、そういう人たちが、溢れている。 だからせめて1人だけでも、軸が振れてない人間が必要なんだ。そう思った。 それが自分なりの、”祈り”なんだ。 肉まんは、ホカホカだった。
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