もうだいぶ昔、大学時代ずっと好きだった娘が離婚したと知った。 あの頃は友達以上恋人未満のような関係で、それが僕の思い込みでない証拠に、 彼女は一人暮らしの僕の部屋にしょっちゅう泊まりに来ていた。 ちょっと奔放だけど寂しがり屋だった彼女は、彼氏とケンカしたり別れたりすると、 決まって僕の部屋に来る。 何度も同じベッドで抱き合って寝た。 チャンスはいくらでもあったし、 客観的にはセックスすべき理由しか見当たらないと思っていた。 でも、結局男女の関係になることはなかった。 一度、本気で抱いてもいいか尋ねたけど、 「友達とはしない」で交渉は終わってしまった。 あの時の彼女の本心はどちらだったのか。 彼氏たちと比べて、イケてない男子だった僕を 本当に安牌だと思い、抱き枕代わりにしたのか。 それとも、友達から「友達じゃない」存在になる 最後のラインだけは僕に越えさせようとしていたのか。 いまだに考えて
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