科学の世界では、昔から「結婚は健康にいい」という考え方が常識だったのをご存じでしょうか? 独身のまま中年期を過ごす者よりも、特定の伴侶を見つけた者のほうが、健康的な体を保っていることが多い、というのです。 これは大量の観察研究から得られた結論で、たとえば有名なのは、2014年にカリフォルニア大学から出たメタ分析でしょう。過去50年のあいだに行われた調査から72,000人分のデータを精査したもので、果たして結婚がどれだけ健康にいいのかを定量的にまとめています。 その結果は予想を超えるものでした。全体的に既婚者ほど寿命が長かったのはもちろん、 ・心疾患になりにくい ・脳卒中リスクが下がる ・鬱病の発症率が低い などの特徴まで確認されたのです。もちろんこれは観察研究なので因果関係まではわかりませんが、おおよそのデータは「結婚=健康」の相関を示しており、特定のパートナーがいる人ほど病気にかかりにく