狩猟採集民の腸内環境は、現代人が失った「微生物の多様性」を維持している アフリカのタンザニアでの研究から、ネイチャー誌の特集増刊 ネイチャー誌の特集増刊から引き続き新しい研究を紹介していく(「腸内フローラ」ネイチャー誌が特集増刊、慶応大の本田[…]
このたび性的な行動が女性ホルモンに影響を及ぼして、月経周期で変動する免疫に影響していると分かった。 妊娠しやすさとのトレードオフにつながっているかもしれない。 行動は影響? 米国インディアナ大学の研究グループが、不妊や生殖分野の国際誌であるファーティリティ・アンド・ステリリティ誌のオンライン版で2015年9月15日に報告した。 これまでの研究によって、女性は月経周期に沿って免疫の働きには変化が見られていると分かっている。 月経の後の「卵胞期」(濾胞(ろほう)期ともいう)には、「Th1」というタイプの免疫細胞の働きが高まる。異物に抵抗する「ヘルバーT細胞」に入るもの。排卵後の「黄体期」には「Th2」というタイプの働きが高まってくる。 Th1とTh2は、バランスを取っている。異物への抵抗の仕方が変わってくる。 妊娠は、胎児という自分とは異なる生命を体に宿すもので、免疫との関係も深いと
男性の陰茎サイズの「普通」が明らかになった。治療にも利用できるものと期待されている。 長さと周囲径を計測 英ロンドンの精神医学心理学神経科学研究所とサウスロンドン・アンド・モーズレー国民保健サービス財団のデビッド・ヴィール氏らの研究グループが、泌尿器分野の国際誌であるBJUインターナショナル誌2015年3月2日号に報告している。 研究グループは、欧米や中東などさまざまな人種の男性1万5千人超の陰茎サイズに関するデータに基づいて「ノモグラム」を作成した。 ノモグラムは、ものさしを並べたような計算を視覚的に行えるものだ。例えば、陰茎であれば、弛緩時と伸ばした状態を調べると、勃起時のサイズを簡単に予想できるようなものだ。実際との違いを比べると、病的な状態があるかどうかを予測することもできる。 研究グループは、弛緩状態や勃起状態での陰茎の長さ、周囲径を計測した20件の研究を総合的に分析した。
専門を問わずに論文を読んでいると、社会問題を何とか科学にしようとしている人たちの努力に出会う。 主張を科学でとらえる 科学論文としては問題を感じるところもあるが、21世紀に取り組まなければならない問題を科学として確立し、解決を見出そうとする強い意志が感じられる。 自分の意見をそのまま主張するのは科学ではない。 若い世代はフェイスブックやツイッターで自分の主張を述べて満足するのではなく、できれば自分の主張を科学してみる気概が欲しい。 若者を貧困から救う「自己統制」 今回紹介する論文はその点では参考になる。最初は米国科学アカデミー紀要8月13日号に掲載されたノースウェスタン大学からの論文で、タイトルは「社会的貧困層の若者では、自己統制は心理的社会的状況の改善をもたらすがエピジェネティックな老化を早める)」だ。 米国の最大の問題は社会格差と貧困で、成長に対する最も大きなリスクになっている。
知的障害は、親からの遺伝ではなく、遺伝子の突然変異が原因である場合が多い。 このたびその異常の背景に神経細胞が早く発達しすぎるという問題があると分かった。薬によって解消できる可能性もあるようだ。 タンパク質が足りなくなる 世界的に有名な生物化学研究所である米国のスクリプス研究所(フロリダ)を含む研究グループが、精神分野ではトップクラスの医学誌であるバイオロジカル・サイカイアトリーで2015年5月1日に報告したものだ。 知的障害は、親が必ずしも知的障害の遺伝子を持っているというわけではない。背景にある最も多い原因の一つが「Syngap1」という遺伝子の突然変異。発達の過程で遺伝子に変化が起きるものだ。結果として、この遺伝子に基づいて作られるはずのタンパク質の量が不足するのが問題になる。 研究グループによると、世界的には数万人で問題になっているという。 今回、研究グループは、Synga
個人で見ると失業によって死亡のリスクは上がるのだが、集団で見たときには、失業率が上がると、なぜか国民全体の死亡率は下がるという不思議な現象が分かった。 米国ミシガン大学社会調査研究所の研究グループが、2014年8月1日付けのアメリカン・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー誌で報告している。 研究グループは、米国労働省のデータおよび米国民を対象とした1979年から1997年までの年次調査データを利用して、個人の失業と、州単位の失業率が死亡の危険度にどう関係するかを検証した。 この結果、失業の当事者では死亡の危険度を強力に高めると判明した。一方、不況の際の失業率が高い期間、人口全体で見るとむしろ死亡リスクは大幅ではないにせよ確実に低下していると分かった。 個人で見たときと、社会全体で見たときに、全く逆の結果に至るわけだ。このパラドックはどう説明できるのだろうか。 文献情報 Tapia Grana
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