先週、大阪市の橋下市長が、関西電力の大飯原発の再稼動を容認する声明を出しました。これまで積極的に脱原発の方針を推し進め、原発の再稼動にも反対してきた橋下氏としては、ほぼ180度の方針転換といってよい内容です。 長期的な方向性としては脱原発にも合理性はあるものの、直近の電力供給事情を考慮すれば、「机上の論だけではいかない」という橋下氏の判断は現実的なものです。あまりに潔い転換だったので、あるいは、最初からこのあたりの落としどころを狙いつつ、当初から容認の姿勢を見せては電力会社がつけあがるので牽制していただけなのでは? という疑念も浮かぶぐらいですが、これは憶測の域を出ません。 今回の件もそうですが、橋下市長には、よりよいオプションが出てきたらすぐに旧来の路線を捨てて乗り換える、という柔軟さがあります。それは一面では、一貫性がないという批判も可能な態度ですが、しかし大阪市という巨大なシステムを