過酷な毎日を送る日本のサラリーマンにとって、生活の大部分を占めるのが仕事。それゆえ、職業選びは、人の寿命に大きく影響を与えているという。多数の企業で産業医として働く榛原藤夫氏はこう語る。 「寿命を規定する因子としては、本人の持っている遺伝的、体質的要因に加え、食生活、運動習慣などの生活習慣が広く知られています。しかし近年では、どのような仕事に就いているか、どのような社会的地位にあるかも健康に大きな影響があるということが分かってきました。イギリスの有名な研究では、公務員を4階層に分けると1番の上位階層と比べ、1番下位の階層の突然死のリスクは4倍高いという結果が示されました。かつては管理職ほどストレスフルなので、健康に悪いと思われていたのに逆だったのです。後にも類似する研究結果が報告されるようになりました。また『職業』以上に『所得』と健康、寿命の関連を示唆する研究も多く、社会医学では注目の分野
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