新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、海外の多くの国において外出禁止令など厳格な社会的離隔政策が採られた。こうした中、在宅勤務が注目されており、関連する研究も進んでいる。在宅勤務の実行可能性とともにその生産性がどの程度なのかは、国民の健康と経済活動のトレードオフの下での適切な政策決定を行う上で、感染率や死亡率と並んで重要なパラメーターだが、日本に限らずほとんどデータが存在しない。日本でも4月7日に「緊急事態宣言」が出され、5月4日には同月末までの期間延長が決定された。足元では緩和や解除に向けた動きも見られるが、本稿執筆時点では外出自粛要請などの措置が継続している。本稿は、「緊急事態宣言」を受けて外出自粛要請が強化され、出勤者数の7割削減を目標に在宅勤務が強力に推進される中での在宅勤務の生産性に関するエビデンスを報告する(注1)。 新型コロナ危機と在宅勤務の研究 仕事全体のうちどの程度を在宅勤