企画趣旨 いま私たちが聴いている西洋のクラシック音楽は、ヨーロッパの教会や王侯貴族のサロンのもとで育まれ、後の市民社会のなかでも、当初は選ばれた一部の市民のものでした。しかし、こうした時代でも、広場や街角には、庶民の暮らしのなかの歓びや哀しみを唄う辻音楽師たちがいたのです。一方、自然に根ざして生きる人々の歌や踊りからは、大地のエネルギーと生きる歓びが、現代社会に生きる私たちにも伝わってきます。 今年は、機械化された人工的な音楽が至るところに溢れる私たちの日常からしばし離れ、大地や街角で育まれた力強いダンスや音楽に触れていただきたいと思います。 "Doumdoumba[dance of strong men]" Illustration by TOSHIKI SAWADA, Photo by AKIHIKO IIMURA