政府の総合科学技術会議(議長・野田佳彦首相)が、6日から一時休止することになった。同会議の有識者議員に就任予定だった平野俊夫・大阪大学長ら3人の人事案が、昨年の臨時国会で審議されず未承認のままとなっているからだ。国会審議で閣僚の問責決議案採決などが優先されたためで、事務局の内閣府によると、こうした事態は初めてという。 同会議は、国の基本的な科学技術政策の企画立案や総合調整を担っている。議員構成は内閣府設置法で定められ、閣僚と有識者の14人以内。このうち有識者が半数未満になってはならないと定められている。 現在、議員数は14人で、うち有識者は8人。5日で任期切れとなる本庶佑(ほんじょ・たすく)議員(京都大客員教授)ら3人が抜けると議員数は11人、有識者は5人となり、半数未満となってしまう。 会議では今後、15年度までの科学技術政策の方針を示す「第4期科学技術基本計画」の実施や達成度評価の方法