1960年代の後半のある日、畏友の須藤勝彦氏から、私たちの後輩、堀田英樹氏(当時現役の学生)が面白い店でバイトをしているから一緒に行かないかと誘われて、今池商店街からほど近い「壺」という飲み屋へ行った。 そこのママさんが個性的で面白い人で、その人と堀田氏などを巡る話をしだしたら長くなるので端折るが、その店のカウンターで、まだ学生服を着た(私も2年生ぐらいまでは学生服だった)現役の大学生が飲んでいた。どうもバリバリの活動家のようであった。 どういう経緯だったかはともかく、気づいたらその学生と須藤氏との間に大論争が展開されていた。学生服の彼がいうには、あなたたちがだらしなかったから今日の状況があるということで、それに対して須藤氏は、そんなことは関連がない、問題は「今日の状況」といわれるものが何なのかを見つめることだと反論していた。 こんなふうに書くと私自身は蚊帳の外のようだが、学生服の彼がいう