日本で今、もっともクマの写真を撮っているカメラマン、二神慎之介は昨年、日本全国でクマが大量出没した“好機”に、ほとんどクマの写真を撮らなかったという。その理由について、「怖かったから」と素直に語る。二神の最大の弱点。それは長年の濃密な撮影活動による「クマ恐怖症」を抱えているということだ。日本で今、もっともクマの写真を撮る男は、もっとも“ビビり”な男でもあった。 クマと人との遭遇事故が頻発する昨今、二神はこう警鐘を鳴らす。「クマの本能が変化してきている。『共生』という言葉では、追いつかない時代がすぐそこまで来ています」――。(全3回の1回目/#2に続く) ◆ ◆ ◆ クマとの上下関係を本能に刻み込まれた瞬間 ――私が二神さんのヒグマの写真を初めて見たのは2022年、ニコンプラザ大阪で開催されていた「『羅臼』~漁師の海、ヒグマの山~」という写真展でした。その中でメインの一つとして飾ってあったの
![日本でいちばんクマを撮っている「クマ恐怖症」になったカメラマンが5年がかりで撮った“決定的瞬間”とは | 文春オンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b42828320217ebaae92cd48889267f24519ddb70/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbunshun.jp%2Fmwimgs%2F7%2Fc%2F1200wm%2Fimg_7c7ebf390d37b438b525e11ace5e3299234268.jpg)