関東大震災では、東京の下町を中心とした火災で多くの死者が出たため、「東京の地震」と考えられがちだ。だが、震源域の神奈川県では強い揺れによる土砂災害で多くの人が亡くなった。特に、相模湾に面した小田原市根府川地区は被害が大きかった。その地滑りの痕跡は今も海中に眠っている。(永井理)
関東大震災では、東京の下町を中心とした火災で多くの死者が出たため、「東京の地震」と考えられがちだ。だが、震源域の神奈川県では強い揺れによる土砂災害で多くの人が亡くなった。特に、相模湾に面した小田原市根府川地区は被害が大きかった。その地滑りの痕跡は今も海中に眠っている。(永井理)
交流サイト(SNS)の浸透を背景に、戦争は、人々の考え方の主体となる「脳」を巡る争い「認知戦」に発展しつつある。「人の脳が戦場になる」とは、どういうことなのか。ロシア・旧ソ連諸国を専門とする軍事研究家で、安全保障問題に詳しい小泉悠・東京大学先端科学技術研究センター准教授(42)に聞いた。(聞き手・滝沢学) 認知戦 人の脳など「認知領域」を標的にした戦い。世論の誘導や敵対勢力の撹乱を狙う「情報戦」の一つ。マスメディアを通じたプロパガンダ(宣伝)の流布だけでなく、SNSなどで刺激的な情報発信を繰り返し、人の頭の中に直接働きかけて考え方を先鋭化させ、対立をあおって社会を弱体化させる。陸海空や宇宙、サイバー空間と並ぶ6番目の戦闘領域として「認知領域」が捉えられ、各国で研究が進む。日本では2022年の防衛白書で初めて「認知戦」の用語が登場した。
住民らの声で伐採計画が見直されることになった「玉川上水旧水路緑道」の樹木=4月25日、東京都渋谷区で(松崎浩一撮影) 東京都渋谷区は、地下水路となった玉川上水の上の緑道(笹塚-代々木、2.6キロ)の再整備で、当初伐採を予定していた樹木158本の状態を再調査し、8割以上の134本を残すと決めた。方針転換には「木を残して」という住民たちの働きかけがあった。4月24日に開かれた周辺住民への説明会で、長谷部健区長は「ロープを張ったり、添え木をしたりして残せる物は残す。地域にさらに愛される緑道を目指したい」と説明した。(中村真暁) 玉川上水旧水路緑道の再整備事業 緑道は1982~85年度に整備された。傷みや老朽化が進み、東京都渋谷区が農園や遊び場、広場などを再整備する。2024年7月以降、笹塚、大山、幡ケ谷の各緑道で着工予定で、総事業費は約100億円を見込む。 緑道は、渋谷区内の笹塚、大山、幡ケ谷、
富山県のチューリップテレビの記者たちと地元議員らの攻防を描いたドキュメンタリー番組を映画化した「はりぼて」は同局キャスターだった五百旗頭(いおきべ)幸男さん(42)が監督を務めた異色作だ。「政治も社会も二元論で片付けられない曖昧で多様で複雑なもの」。四月から石川県の石川テレビに移籍した五百旗頭さんが心掛けているのは「単純化させずに余白をもたせて視聴者に判断を委ねる。自分たちの恥もさらけ出し、想定外を生かすこと」だという。(望月衣塑子) 「はりぼて」はラストの五百旗頭さんの涙の辞職あいさつが衝撃だった 辞めるまでにさまざまなことが重なり、これ以上自分がここで仕事を続けるのは難しいと思った。ラストを巡っては、制作陣の中でもさまざまな議論があったが、十四人の市議を辞職させた“かっこいい”テレビ局で終わらせては駄目だ、というのが、自分だけでなく共同監督の砂沢智史記者やカメラマンの西田豊和さんらの思
性被害を知った母は自ら命を絶った…遺書につづられた、ジャニーズ事務所に写真と履歴書を送ったことへの後悔 旧ジャニーズ事務所(現・スマイルアップ)創業者のジャニー喜多川氏(2019年死去)による性加害問題で、被害に遭ったジャニーズJr.(ジュニア)の元レッスン生の男性(55)が取材に応じ、母親に性被害を打ち明けた1カ月後、母親が自殺したことを明かした。遺書には、男性の写真と連絡先を事務所に送ったことへの後悔と謝罪が書かれていた。母親への告白を40年以上悔やみ続け、「自分の人生はめちゃくちゃにされた。事務所が、今後も子どもを育成しマネジメント業務を続けることはあってはならない」と怒りを込める。(望月衣塑子)
カメラ用レンズ大手のタムロンは2日、鰺坂司郎前社長と、鰺坂氏の前任の小野守男元社長が、単独や女性を伴った飲食で、計1億6千万円を超える会社の経費を私的流用していたことが判明したと発表した。内訳は鰺坂氏が3千万円超、小野氏は1億3千万円超に達するとしている。 タムロンは8月、鰺坂氏の私的流用が発覚したと発表し、弁護士らでつくる調査委員会が報告書を11月2日公表した。報告書によると、小野氏は調査に対し「社長業のストレスを解消するための必要経費」と正当化した。鰺坂氏も「小野氏から承継したルール」の一点張りで、適切かどうかは「経営者として考えたこともない」と説明した。 報告書は「ストレスの発散は個々人の費用で賄うもので、開いた口がふさがらない」と批判した。タムロンは「お客さまや取引先の皆さまには多大なご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます」と謝罪した。返金を求めるなどの対応を取るかどうかは、今後
ジャニーズ事務所の創業者ジャニー喜多川氏(2019年死去)の性加害問題を巡り、被害者らを聴取した国連人権理事会の作業部会の委員が、政府に透明な捜査の確保と被害者の救済が必要と指摘したことについて、松野博一官房長官は7日の記者会見で「作業部会の見解は、国連や国連人権理事会としての見解ではなく、法的拘束力を有しない」と述べた。 松野氏は「個別の被害は事案ごとに裁判等で判断され、個別事業者における事案は事業者で適切に対応されるべきものだ」とし、政府として被害者や事務所、芸能界やメディアの関係者を調査するつもりはないとの見解を示した。 「ジャニーズ性加害問題当事者の会」副代表の石丸志門(しもん)さん(55)はこの日、立憲民主党のヒアリングに参加。本紙の取材に、「政府は、韓国のように主体的にジャニー氏の被害者や事務所、芸能・音楽・企業・メディア幹部を聴取し、業界全体でセクハラ・パワハラが撲滅できるよ
東京湾を望む癒やしスポットとして親しまれている東京都立葛西臨海水族園(江戸川区)の樹木が大量に撤去されるのではないか、との懸念が広がっている。老朽化した施設の建て替え計画を巡る都民の情報公開請求で環境負荷計画などの大半が、小池百合子知事がかつて「のり弁」と批判した黒塗りにされたためだ。情報公開の専門家は「公共施設の整備内容は早い段階で公開しないと、神宮外苑のように最終段階でもめることになる」と警告する。(三宅千智)
東京都府中市浅間町の「米軍府中基地跡地」で、長らく未返還だった在日米軍の通信施設が昨秋、返還された。施設は跡地の中で未利用となっている一四・九ヘクタール内にあり、全面返還に伴い市が利用計画の見直しを検討し始めた。未利用地は京王線府中駅の北東一・六キロにあり、広さは東京ドーム三・二個分。「この広さで利用目的が決まっていない公用地は都内にあまりない」(市担当者)という土地の活用が前進する。(宮本隆康) 市などによると、米軍は終戦後、旧陸軍燃料廠(しょう)を接収して府中基地として利用していた。在日米軍司令部などの機能が横田基地(福生市など)に集約されると、一九七五(昭和五十)年に府中基地約六十ヘクタールのほとんどが返還された。跡地には都立府中の森公園や市美術館などが整備されたが、「将来の需要に備える」(国の審議会)として利用が留保されたのが一四・九ヘクタールの未利用地。米軍通信施設はその留保地に
島津製作所(京都市)が製造した医療用エックス線装置を巡り、保守と販売を担う子会社の島津メディカルシステムズ(大阪市)熊本営業所の幹部社員が、熊本県内の公立病院に納入した装置に回路を遮断するタイマーを仕掛け、故障を装って部品を交換していたことが本紙の取材で分かった。病院は交換修理費として200万円超を支払った。島津製作所は社内調査していることを認め、自社のホームページに「事実関係が明らかになり次第、しかるべき対応を行う」とのコメントを出した。 両社の関係者は25日、この病院を訪れて謝罪し、概要を説明した。営業所を所管する熊本県は、メディカル社などから聞き取りをする考えを示した。病院を運営する自治体は、代金の返還を求めることも視野に検討するとした。 部品を交換していた装置は、エックス線で体内を撮影しながら映像を見られる「エックス線テレビシステム」で、この病院には2009年に設置された。関係者に
「中国人の良くないイメージを吹き払いたい」—。千葉県市川市の江戸川河口部で、食用にカキ採りをする中国人らが河川敷に大量のカキ殻を捨てて問題化していることから、東京都内などに住む中国人が、カキ殻の回収作業を始めた。近く任意団体をつくり、地元の市民団体などと一帯の環境美化につなげたいとしている。(保母哲) 江戸川河口部は洪水対策などのために掘削され、江戸川放水路とも呼ばれる。海水と淡水が入り混じり、そうした水域を好むカキなどが生息している。漁業権は設定されておらず、カキ採りは規制されていない。 地元住民によると、数年前から外国人がカキを採取する姿が見られるようになった。採取後にその場でカキを取り出し、殻を河川敷などに放置。水辺遊びをする子どもたちのけがや苦情が相次いでいる。カキを採る様子や放置された殻がテレビで報道され、対策を求める声も上がっている。
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