チェーホフに「タバコの害について」という一幕ものの戯曲がある。 登場人物は冴えない中年男一人で、奥さんに「タバコの害について」という講演をして来いといわれた男として舞台に登場してくる。 氏は細君に全く頭があがらない。それで奥さんが会場にいないのをいいことに、「タバコの害」ではなく、奥さんの悪口や自分の愚痴を延々と演壇で語る。が、終わり近くになって楽屋に奥さんが来ているのに気づき、あわてて「ただ今、申し上げたように、タバコにはおそろしい毒が含まれているという事情から見て、どんなことがあっても喫煙など、いたすべきではないのであります。・・」などといって講演をおえるという話である。 わたくしも、「酒と煙草の害について」正面から論じる気はない。 ただ、なぜ現在世界中でタバコや酒、とくにタバコがかくも嫌われるようになっているのかということについて、少し考えてみたいと思っている。 まずアルコール。 昨
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