教会には独自の「法律」があると聞きますが、どういうものですか? わたしたち人間が生きる社会はそれぞれ、さまざまな法律をもっています。「人間は社会的な存在として一定の社会共同体に属していますから、それぞれの社会の法や規則を守る必要があります。国の憲法や諸法規はその社会秩序を守るという共通善のために制定されたものですから、法が倫理的に正しいかぎり、それらを守ることは国民また市民としての義務であることはいうまでもありません」(『カトリック教会の教え』327ページ)。 憲法や諸法規は、「人格の基本的権利の尊重と推進、個人と社会の有形、無形の福祉の振興、全体の平和と安全」(『カトリック教会のカテキズム 要約』408項)を含む共通善のために制定されなければなりません。さらに、一国の「政治体制は国民の自由な決断によって定められ、人々の恣意ではなく法が支配する『法治国家』の原則を尊重しなければなりません。