前編からつづき 2.弱者の味方 つまり放射線問題で我々が気をつけなければならないのは電力会社との癒着だけではない。甘い声で近寄ってくる、一見弱い者の味方の顔をした人たちが、何らかの別の目的(経済的利益や政治的な目的)のために、我々の不安を利用しに来ているのかもしれないのだから。こういう一部の人たちのために放射能おばけが現れ、人々に恐怖を吹き込み、民主政治を阻害しているのだとしたら、これは座視できない問題だ。 前項で紹介したように、クリス・バスビー氏らがかつてウェールズで低線量の放射線汚染による白血病の増加がみられたと主張したが、実のところ彼らは統計的手法を無視して、自説に都合の良いデータを集めて解析し、査読システムを経ないで世間に発表していたのである。そのときウェールズのメディアが十分にバスビー氏に対して批判的でなかったことで、結局このニセ科学の相棒を担ぐことになり、ウェールズを混乱に陥れ