[第1回] 米メディアも「取材に苦労」 サイバー戦争の報じ方 ワシントン・ポスト エレン・ナカシマ記者にきく サイバー戦争をめぐる議論では、The Fifth Domain という表現がよく出てくる。「第5の領域」というこの言葉で表現されているのは、コンピューターネットワークが、陸、海、空、宇宙に続き、戦場になりうる5番目の空間として登場してきた、ということだ。他の4つの空間と違い、サイバー空間は人工的で、そこでの動きはつかみにくい。それでも、サイバーセキュリティーが強い関心を集めている米国では、さまざまなメディアが毎日のように新しい話題や情報を提供している。今回の特集の取材を準備する過程で、米国の最先端の動きや新たな議論を知る上でもっとも参考になったのは、ワシントン・ポストの報道だ。複数の記者が、同じ話題を技術、軍事、経済など多角的に掘り下げて特集紙面を作ったり、単発の記事でもわかりやす