◇授業料以外の費用重く「国は教育費拡充を」 今年度、公立高校の授業料は無償化されたが、依然として保護者負担が重くのしかかっている。景気低迷の影響を受け、低所得層が多く通う県内のある定時制高校では、年間約1万5000円の学校経費を払えない生徒が続出した。現場や識者からは「授業料以外の費用は多い。もっと負担軽減を」と声があがる。【石戸諭】 ◆滞納が続出◆ 定時制高校の夜、担任教諭たちがPTA会費や教科書代を滞納している保護者に電話をかけていた。ある保護者は「子供が払っているはずです」と言い残し電話を切った。保護者は無職で、生徒自身がアルバイト代から携帯代や食事代とともに学校経費を支払っていた。この学校の生徒の6割強は1人親世帯。不況を背景に「経済的理由」で入学する生徒が増えた。修学旅行費4万円の積み立てができず、不参加の生徒も多い。教員の一人は「無償化はあくまで下支え。家計が苦しい生徒は去年以