弾頭か衛星か 転用も可能 北朝鮮が人工衛星打ち上げと主張するミサイル実験をめぐり、国際的な緊張が高まっている。ミサイルとロケットはどう違うのか。日本のロケットは軍事転用につながらないか。技術的な背景を探った。(笹沢教一、ワシントン・山田哲朗) 飛行の仕方に違い ミサイルとロケットの基本技術は共通だ。ミサイルは、ロケットの先端に弾頭を載せた武器の呼び名にすぎない。弾頭の代わりに衛星を積めば、民生用のロケットになる。実際、米国のタイタンなど大陸間弾道ミサイルが衛星打ち上げに転用された例は少なくない。 だが、違いもある。まず飛行の仕方だ。ミサイルの目的は、遠く離れた敵に弾頭を打ち込むこと。長距離を飛ぶ弾道ミサイルの場合、弾頭を高度数百キロの大気圏外まで運んだ後に、重力に従って再び大気圏に突入させ、地上に落とす。衛星打ち上げロケットの場合、秒速7・9キロ程度まで加速した後は、そのまま地球周回軌道に