スーダン・ダルフール―学者の目 2008年02月19日 編集委員・竹内幸史 スーダンの紛争地、ダルフール地方に、気候変動や温暖化がいったいどんな影響を及ぼしているのか――。そんな難しい質問に、明解なデータを持って答えてくれた地元の研究者が1人だけいた。 アブドゥルジャバル・アブデラ氏 ロバで薪を運ぶ農民=エルファシェール郊外の村で 水をくんで飲み水をロバで売りに行く少年たち=エルファシェールの中心街で 砂漠化が進む北ダルフール州の大地 北ダルフールのエルファシェール大学で教鞭をとるアブドゥルジャバル・アブデラ助教授(54)である。 アブデラ氏は首都ハルツームで開かれた国際的な環境問題の会議に来ていた時、出会った。そしてエルファシェールでも旧式のオースティン・ローバーの愛車に乗って宿舎に来てくれて再会し、長時間にわたって話を聞かせてくれた。もともと政府の農業省に勤めていた農業の専門家である。