井村屋製菓のあずきバー。家族向けの「BOXあずきバー」は今年、発売30周年を迎えた 井村屋製菓(津市)のアイスキャンディー「あずきバー」が快調だ。72年発売から38年目の今年、初の2億本超えに挑んでいる。ロングセラーを支えるのは、無添加、無着色の素朴な味わい。かき入れ時の夏を迎え、コンビニへの販路拡大や子どもへのサンプル配布など、販売促進にも熱が入る。 6月27日午後、名古屋市中区栄の繁華街。日差しが照りつけるなか、あずき色のTシャツやはっぴ姿の営業社員ら12人が「あずきバーをお願いしまーす」と声を張り上げ、商品を無料で配る。この日は5千本を用意。「いつも食べていますよ」。年配の男性が社員に声をかけた。 井村屋の08年度の売上高(単体)は298億円。あずきバーは、この2割弱を占める主力商品で、7〜8月に国内で最も売れるアイスキャンディーだ。5年前の1億2700万本から年々増え、08年