今日は9月1日。1923年の関東大震災から95年が経ったことになる。 私が関東大震災時の朝鮮人虐殺を描いた『九月、東京の路上で』を刊行したのは、2014年3月のことだが、その翌年、横浜で講演する機会があった。話し終えて片付けをしていると、小柄なおばあさんが近づいてきて、穏やかな表情のままで、こう語った。 写真特集 関東大震災の虐殺事件現場を行く(写真9枚) 「私の祖父はあのとき、トビ口でここを刺されました」 「あのとき」とはもちろん、関東大震災時のことだ。そして、「ここ」とは後頭部のこと。彼女はそのとき、人差し指で自分の後頭部をトントンとたたきながら「ここ」と示したのである。 「奇跡的に生命はとりとめましたが、その後、朝鮮に帰りました」 彼女が日本にいるということは、彼女の父か母の代で、再び日本に来たということだろうか。生命はとりとめたとはいえ、障害は残ったはずだ。言葉に窮している間に、お
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