第87回全国高校サッカー選手権を制したのは、堅い守備と機を見た鋭い攻撃を展開し、組織力では今大会で一番光っていた広島皆実(広島)だった。その広島皆実を率いたのは就任2年目の35歳の青年監督・藤井潔。優勝という結果を手にした後、藤井監督の周囲はあわただしくなったが、変わったのは周囲だけで、本人は以前と同じように自然体だった。周囲の喧騒(けんそう)をよそに、普段と変わらない姿勢でいる藤井監督の本心に迫ってみた。 ■広島皆実の歴代の指導者は攻撃サッカーを志向していた ―――優勝おめでとうございます。今の率直な感想を教えてください ありがとうございます。優勝できて反響の大きさに驚いているのと、その中身がいいサッカーをやっていたと評価してもらっていることについては、正直うれしいですね。今の3年生と時間をかけて作ったもので、(前監督の)鯉迫(勝也)先生の色がすごく出ていたチームですし、過去の指導者を