印刷の色の問題というと、カラー原稿との比較や、校正刷りと本刷りの差などが問題にされ、色校正環境を整えるために多大な労力とコストがかけられてきた。しかし近年は次第にプリンタプルーフが多くなったものの、それほど深刻に騒がれることは少なくなった。今はむしろデジタルカメラ入稿の方が品質にかかわる問題とされている。 昔はカメラマンもデザイナも製版レタッチャも同じ一つのポジフィルムを対象にしてコミュニケーションをしていたが、今は目に見える画像はそれぞれのコンピュータ環境に依存したものなので、アナログ的な共通理解は難しくなり、その分データに信頼を置くようにしなければならなくなった。 画像のデジタル化で目視作業が主の職人技がやりにくくなったが、それ以上にデジタルだからこそ可能になることの方が多くなっている。印刷など平面の静止画が根源的に持っていた制約が、これから挑戦すべき課題に変わりつつあるともいえる。そ