2007.10.13 内藤大助の戦い。 (4) カテゴリ:ヒラカワの日常 「店主、何か言ってやってくださいよ。 店主が何を言うか、待ってる人もいるみたいですよ。」 と、三丁目食堂の木村くんがDVDをくれた。 確かに、俺はボクシングについて、これまで熱く語ってきた。 それはファイティング原田の飢餓についてであり、 ナジーム・ハメドが世界に与えた驚愕であり、 長谷川穂積が追い求めている拳闘の理想であり、 アリとフォアマンのキンサシャの奇跡の物語であり、 カシアス内藤の苦い人生の奇跡についてであった。 何故、これほど惹きつけられるのか。 そこに、人生というものには本来あってはならないが、 すべての動物の本能に隠れているような何か、 つまりは後先の無い、一瞬の燃焼、生存を賭けた沸騰と怜悧の交錯 そして、世のためにも自分のためにも、 何の役にも立たない情熱―完全な「無」意味の跳梁が あるからである。