これが科学に立脚した判断なのか。首をかしげざるを得ない認定だ。 原子力規制委員会の専門家調査団が、日本原子力発電の敦賀原子力発電所(福井県)2号機直下を走る破砕帯についてまとめた報告書の内容についての印象である。 報告書は、この破砕帯を、原発の耐震設計上、考慮すべき活断層であると認定し、近くにある浦底断層が活動した場合には、同時に動いて直上の重要な施設に影響を与える恐れがあると結論づけた。 しかし、日本原電は規制委の報告書に納得していない。同社は敷地内の詳細な地層調査をしており、その結果に基づいて問題の破砕帯は12万~13万年前以降に動いた活断層ではなく、浦底断層との連動性もないと反論してきた。 日本原電は、主張を立証するために6月末までの追加調査を実施中だ。その結果が得られるまで報告書のまとめを待ってほしいと求めていたが、規制委側は一方的に議論を閉ざした形である。 この打ち切りがいけない