農林水産省が2010年中の農作業死亡事故状況を発表している。全国の死亡者は、398人。前年から10人減ってはいるが、過去10年、400人前後で高止まりの状態が続いている。これをどうにかして交通事故死者のように減少に持っていけないものだろうか。 それには、まず死者数が高止まっている原因を探ってみる必要がある。10年の発生では、農機事故が7割と過去最多となったことと、年齢別の内訳で70~79歳が40%(159人)、80歳以上が34%(134人)と、70歳以上が7割超を占めていることがある。 つまり、農作業事故の背景には、深刻な就農人口の高齢化の問題がある。「事故の減少=農業の若返り」をグラフに描けるような農政を考えなくてはならない。 若者にとって魅力ある農業とは何か。それは、従来の重労働を伴わない軽作業の農業であり、危険な農機操作を必要としない安全な農業であり、そして、何より収益率の高い儲かる